「改憲手続き法案」
国民投票法案を、私達はその本質が伝わるようにと“翻訳”して、こう呼んでいます。
「投票は国民の権利だから、いいじゃないか」という方がいます。私は「その国民の権利を奪うための法律です」と話しています。
改憲のターゲットが9条で、アメリカが自分たちが起こす戦争に日本にも協力してほしく改憲を要求していることは、アメリカの防衛計画を見ればすぐわかります。
そのような背景を持つ法案で、さらに改憲派に有利な内容になっています。
意見放送や新聞広告などの広報は、国会の議席数をふまえるとしています。仮に1時間のテレビ番組だとすると、今の議席数では改憲賛成54分、改憲反対6分となります。
テレビ・ラジオなどでの有料広告などは「投票日前7日間」以外は自由です。意見広告は、全国紙の一般的な全面広告で3000万円、テレビスポットは例えば週末の日中30秒で400〜500万円。効果的な連続スポットは億単位になります。
つまり改憲派が金にモノを言わせて、自由に宣伝できるようになるのです。あまりにも都合がよく、不公平です。
だから批判や心配が広がっています。
「結局、憲法改正案を提案した側の多数意見の政党等が無料で多くの時間の放送や多くの回数の広告ができることとなってしまう」(日本弁護士連合会)
「CMの量の比率が‥‥1対10なんてことになったら、これはもう勝負にならない。じゃんじゃん大量に流せば、表現の優劣をこえて、確実にマインドコントロールの作用が働きはじめることになる」(朝日新聞コラムニスト・天野祐吉氏)
さらに国家公務員、地方公務員(準ずる者)、教育者の「地位利用による国民投票運動を禁止」し、その規制を「刑罰」で強制しようとしています。
これまでの識見や研究をふまえて、大学教授が改憲案について講義の中で意見をのべたら「地位利用」になるのかと、衆院憲法調査特別委員会で危惧も表明されています。
約500万人が何の意見も述べられない――これで本当に「国民の権利」が保障されていることになるでしょうか。
国民投票という言葉に「自分たちが直接、政治に意見が言える」との期待を持たれる方もいるでしょうが、実際の法案は危険なものです。世論づくりが急がれます。
