この町に住もうと思える計画に
夕張市の財政再建にかかわる基本的枠組みが明らかになりました。
「法の定める最低ラインの生活」と言いますが、市民生活には重い負担であることは間違いありません。
例えば、子ども2人がいる4人家族では合計16万4000円の負担になります。しかし、高齢者が4割を越え、主たる企業体もなく、このモデルが当てはまるのは市役所勤務や学校教員ぐらいでしょう。市職員を一気に減らし、小中学校も1校ずつしか残さないわけですから、モデルとなる世帯はそもそも夕張には住めません。
高齢者に対しては、市民税は4000円程度の増税と説明されていますが、水道料金の1.7倍加や、ゴミ収集の有料化などと合わせれば、生活できなくなるほどの不安は現実化します。
これでは人口流出がすすみ、再建の前提が崩れます。そんなことは明白なのに、どうしてこのような計画になるのか。
私は、2つの根本的な矛盾を解決しない計画だからなのだと思います。
1つは、市の財政規模に照らして負債総額が大きすぎて、短期の計画では解決できないという客観的な条件です。
もう1つは、ゼロベースでの歳出削減を迫ってきた国と道の意向の反映や、貸し付けた金融機関の責任が問われていないため、巨額の債務をすべて市民が背負う形になったことです。
財政再建には、「それでもこの町に住み続けよう」という市民的合意が前提です。まして今回の夕張の財政破綻は、国のエネルギー政策の転換や、炭鉱資本の無責任な撤退などが引き金になっています。
市の独自計画だけでは解決できない、別の次元の問題が横たわっているのです。国や道の政治判断と支援がなければ、計画は成り立ちません。
何より、市民が住みたいと思える町にするにはどうしたらいいのか、知恵を集める政治姿勢こそ大切です。
